2023年の最近読んだ面白い本たち(電子書籍多め・セールおすすめ)

最近読んだ面白い本について、忘れそうになっていることも多いので、備忘録を兼ねた簡単な紹介をしてみます。
相変わらず暗めの小説ばかり読んでいます。

最近の読書傾向


(画像は今年始めて開花した金盛丸(300円均一出身))
ここ数年、電子書籍を出している各社は50%割引など大幅なセールをしていることも多いです。

古書で買うよりも貢献になるかな?という思いもあって、最近は電子書籍で読んでいます。

読書傾向は相変わらず偏っていて、ディストピア小説やその周辺にある暗めのSF小説ばかりです。
ちょうど夏のセールをしているので、迷っている誰かの後押しになればいいな、と思って書いています。

侍女の物語

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最近読んだ中では一番おすすめのディストピア小説。管理社会型。
まず、管理社会に移行する前に自分が持っていた名前が奪われて、[オブ][男性名]になっているところでグッと来た。
たとえば、主人公はフレッド司令官のものだからオブフレッドという名前になっている。

一見すると「そこまでやるか?」という管理手法も色々登場するのだが、どうやら歴史的に実在した手法を多く取り入れているようです。
物語の展開自体も面白く、世界観のアイデアだけに終止しない本格的なディストピア小説が読みたい人におすすめしたい。

誓願

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この本は侍女の物語の続編です。
侍女の物語をほぼ一日で読み切った後、すぐ購入してこれも一日で読み切った。
両方読むぞ!って人は電子書籍のセールタイミングにまとめて買うのがおすすめ。絶対に続きが気になるから。

前作の結末についてネタバレを避けるため詳細は言えないが、多くの人が続編を読みたいと願っていた。
およそ33年間続編が出ないままになっていたが、この度(つまり2018年)にめでたく出版された。
著者のマーガレット・アトウッド氏自身もトランプ政権(2017年~)についてたびたび言及しており、続編執筆に強く影響した模様。

参考:ヒロインたちの逃走とサバイバル──マーガレット・アトウッド『誓願』解説(英文学者・小川公代)

この続編では、ギレアデ国はどうやって生まれたのか?その後どうなっていくのか?という顛末と、シスターフッド的な冒険譚の両方が力強く描かれている。
前作の結末にもやもやを感じた人にもぜひ読んでほしい。

同志少女よ、敵を撃て

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書店で大々的に宣伝されているため、かえって手に取りづらくなっていた本。
これも電子書籍のセールがきっかけで購入し一晩で読み切った。話題になる理由がわかってしまった。

簡単に言うなら独ソ戦での女性狙撃手の話。
主人公は、実在する狙撃手のリュドミラ・パヴリチェンコの後輩として育成された女性精鋭狙撃手。
「戦争は女の顔をしていない」に出てくるような、女性たちにとっての戦争の話という側面が強い。

だが、それだけではなくて、ソ連が抱えていた民族問題や戦争後遺症も描かれていて読み応えがあった。
個人的な復讐のために戦争に加わった女性兵士の主人公が仲間であるはずの人々や守るべき民衆の矛盾について悩む様子など、単純な”スコア(戦果)”だけでない内面の葛藤が主軸になっていると感じた。
実際にまたロシアが戦争をしていて色々な分断に加担しそうになる時代だが、今読めてよかったなと感じた。

複眼人

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台湾のSF小説。
複数人の視点で書かれた群像劇なので、時間を区切りながら読みやすかった。
独特の物憂げな雰囲気がある文体なので好みに合うかどうか確認しておいた方がいいかも。

複眼人

2,420円

文体と同様に物語の展開も非常に緩やか。
気候変動や海洋汚染など現代の地球でも身近な問題から入っていきますが、着地点はしっかり幻想寄りのSFだなという印象。
大事な人はもういない。故郷も変わってしまう。どうしようもない理不尽があるのに、生き続けなければならないこと。
そんな雰囲気が好きな人向けかなと感じた。

感想が書けないが面白い本

他に読んだ本でとくによかったものもいくつかあるので記録しておく。
技巧的な部分が大きいために通販のあらすじ部分に書かれている以上の感想を書くのが非常に難しかったり、感想にあまりにも私情が入ってしまうので公平に紹介しにくい本画こちらに並んでいる。
紹介しにくいが、「これ面白かったよ!」と言わずにはいられないような小説でもある。

われら

1,100円

ザミャーチン われら
われら (集英社文庫(海外)) [ エヴゲーニイ・ザミャーチン ]

綾辻行人 水車館の殺人
水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫) [ 綾辻 行人 ]

パラニューク サバイバー
サバイバー〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV) [ チャック・パラニューク ]サバイバー〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV) [ チャック・パラニューク ]

ハサミ男

968円

殊能将之 ハサミ男
ハサミ男 (講談社文庫) [ 殊能 将之 ]

ホロヴィッツ カササギ殺人事件
カササギ殺人事件<上> (創元推理文庫) [ アンソニー・ホロヴィッツ ]
カササギ殺人事件<下> (創元推理文庫) [ アンソニー・ホロヴィッツ ]

カズオ・イシグロ 日の名残り
日の名残り (ハヤカワepi文庫) [ カズオ・イシグロ ]

どれも長め・重めのテーマを含んでいるが、手にとって(読めて)よかったなと感じる本である。
が、いずれもネタバレを避けようとすると紹介が難しいので感想は割愛します。

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